第102回薬剤師国家試験に見る「薬学実務実習」の重要性

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第102回薬剤師国家試験を受験された方、お疲れ様でした。

また、第103回~薬剤師国家試験を受験するみなさんは、この先の国家試験がどう変わっていくか不安に感じていることと思います。

今回は第102回の出題傾向と照らし合わせながら、薬学実務実習の重要性について話していきます。

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目次

文部科学省が提示する、薬学実務実習のガイドライン

指導薬局・病院により方針は様々ですが、基盤として薬学実務実習用ガイドラインが用意されています。指導薬剤師はもちろんのこと、薬学実務実習で何を体験することが望ましいか、学生のみなさんも目を通しておく必要があります。

薬学実務実習に関するガイドライン

モデル・コアカリキュラムに準拠した薬学実務実習

病院

  • 院内での薬剤部門の位置づけ、病院の診療システム及び他部署の業務を理解する。
  • 各領域の担当薬剤師による病棟見学を通し、代表疾患について学ぶ。(入院から退院まで継続)
  • がん化学療法のレジメンチェックを体験する。また注射調剤では、坑悪性腫瘍薬取扱いの中でケミカルハザードの回避操作を学ぶ。
  • TDM、病棟業務の一環として、抗菌薬の適正な使用について考える。
  • 診療録や病棟カンファレンス等を通し、シームレスな組織体制を学ぶ。
  • DI(医療品情報)業務や医薬品管理室業務を通し、薬剤師の役割を確認する。

薬局

  • 在宅医療、地域包括ケア、薬薬連携について理解する。
  • 薬歴・お薬手帳の情報、患者への問診を通し、薬物治療が適切かどうか確認を行う。
  • 発注、棚卸等を通し、適切な在庫管理を体験する。
  • アドヒアランスに関する問題点をあぶり出し、解決策の提案を実践する。
  • 学校薬剤師や、保健衛生活動(禁煙活動、薬物乱用防止講演)等を通し、地域医療貢献のための活動について学ぶ。
  • 要指導医薬品や一般用医薬品をはじめ、健康食品、サプリメント等について、セルフメディケーションの観点から学ぶ。

 薬学実務実習で必ず学ぶ、代表的な疾患

薬物治療に関しては、モデル・コアカリキュラムに、全ての実習生がどの実習施設でも標準的な疾患について広く学ぶことを目的として「代表的な疾患」が提示されている。大学及び実習施設は、実習生が実習施設によって体験できる症例や参加できる事例等に不公平が生じないように努める。

残念ながら、実習施設によっては実習生が放置されていたり、満足に実習させてもらえないケースが毎年発生しています。しかしガイドライン上は、「代表的な疾患」について施設間で不公平がないようにと提示されているのです。

つまり、「代表的な疾患」はどの薬学生も平等に学ぶ事になっているので、それらについては薬剤師国家試験にも多く出題していきますよ、ということですね。

代表的な疾患8つについて

がん、高血圧症、糖尿病、心疾患、脳血管障害、精神神経疾患、免疫・アレルギー疾患、感染症

これらの代表疾患については、薬学実務実習を通し学んでいくことが重要となってきます。

第102回薬剤師国家試験での「代表的な疾患」出題数

ではここで、第101回試験と問題数を比較してみましょう。

薬剤師国家試験で出題された「代表的な疾患」の問題数

  第101回国試 第102回国試(今回)
がん 20 21
高血圧症 7 5
糖尿病 4 7
心疾患 5 7
脳血管障害 3 3
精神神経疾患 3 7
免疫・アレルギー疾患 3 5
感染症 6 18
51/345 73/345

 

345問中、51問から73問と出題数が増えていることが分かります。

特に精神神経疾患、感染症については大幅に増加しており、我が国における近年の社会情勢の中で、関心が高まっている2大疾患であることが見て取れます。

 

また、表からも分かるように「代表的な疾患」は満遍なく出題されており、実践問題での出題が多くされています。薬学実務実習での体験は医療人としてはもちろんこと、国家試験をパスする為にも重要となってくるのです。

 

まとめ

薬学実務実習は期間も長いですし、慣れない場に日々足を運ばなくてはなりませんのでとても大変です。数ヶ月で現場のシステムが把握できるわけがありませんし、新人薬剤師もあたふたしながら日々勉強に励んでいます。

そんな場所に実習生のみなさんは突然放り込まれます。

ですので、最低限押さえるポイントとして、「代表的な疾患」8つを意識し実習に臨むことが重要となってきます。また実習を終えた新6年生のみなさんは、春のうちに実習で学んだことを是非復習しておいて下さい。

薬剤師国家試験の傾向は大きく変化しており、その中でグラフや絵を使ったものや実践的な問題が増えています。暗記だけでは対応できない問題、すなわち、体験を通し学んだことから考えていく問題がこの先も増えていくと考えられます。

みなさんには、薬学実務実習で学んだ知識を受験勉強でも存分に生かしてほしいと思います。