【薬理】鎮痛薬

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目標:麻薬性鎮痛薬、非麻薬性鎮痛薬の薬理(薬理作用、機序、主な副作用)を説明できる。

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目次

鎮痛薬 [概要]

鎮痛薬とは、意識消失や睡眠を起こすことなく、痛みだけを除去する薬物のことをいう。

痛覚伝導路

まず、組織の損傷により炎症が引き起こされる。

その炎症部位に浸潤してきたマクロファージや肥満細胞などから、発痛増強物質であるブラジキニンが産生される。プロスタグランジン(PGE1、PGE2)は、単独では発痛作用を示さないが、ブラジキニンに対する発痛作用を増強させる。

その他、セロトニン、カリウムイオン、ヒスタミン等が産生・遊離される。

詳しくは「生物」で解説を行う。

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オピオイド

オピオイドとは、ケシから採取されるアルカロイド、モルヒネ様活性を有するもの、または合成化合物、体内に存在する内因性オピオイドペプチド等*の強力な鎮痛作用を示す物質の総称をいう。
 
オピオイド性鎮痛薬は、中枢神経系である脳や脊髄、末梢神経等にあるオピオイド受容体への結合を介し、脊髄と脳への痛みの伝達を遮断する。
 
特に脊髄では、エンドルフィン、ダイノルフィン、エンケファリン*などの内因性オピオイドペプチドが高密度で存在している。
 

オピオイド受容体の分類

生体内のオピオイドはペプチドであり、主に、μ、κ、δオピオイド受容体サブタイプに分類できる。それら全てが、7回膜貫通型受容体である。

オピオイド受容体 主な特徴

エンドルフィン類

(μ受容体)

  • 鎮痛
  • 多幸感
  • 呼吸抑制
  • 依存性形成

ダイノルフィン類

(κ受容体)

  • 鎮痛
  • 鎮咳

エンケファリン類

(δ受容体)

  • 抗うつ作用
  • 情動変化

鎮痛薬の分類

鎮痛薬は大きく、麻薬性鎮痛薬解熱性鎮痛薬に分類することができる。

以下、各特徴を見ていく。

麻薬性鎮痛薬

モルヒネ (アヘンアルカロイド)

オピオイドμ受容体を強く刺激する。

モルヒネは、規則的下行性麻痺を起こすため、全身麻酔薬には使用不可。

 中枢興奮作用

  • 気分昂揚
  • 催吐*1:延髄のCTZの機能が亢進により、D2受容体刺激
  • 縮瞳*2:中脳の動眼神経核刺激により、瞳孔括約筋が収縮

 中枢抑制作用

  • 鎮痛:μ受容体に作用し、下行性疼痛を制御
  • 鎮咳:延髄咳中枢の抑制 → 気管支収縮**
  • 催眠
  • 呼吸抑制*3:急性モルヒネ中毒の死因

 末梢作用

  • 止瀉 (便秘):μ受容体刺激 → アセチルコリン遊離抑制 (蠕動運動↓)、セロトニン遊離促進 (消化管緊張↑)
  • 排尿困難:膀胱括約筋の収縮
  • 掻痒感:ヒスタミン遊離促進気管支収縮**

 耐性 (反復投与により抵抗性が増し、効果が減少すること)
  • 耐性を生じる:中枢抑制作用 (上記):鎮痛、鎮咳、呼吸抑制
  • 耐性を生じない:縮瞳、止瀉
耐性を生じない=効果が減弱しない=モルヒネ中毒者は縮瞳と便秘に悩まさせる

 精神的依存・身体的依存
  • 禁断(退薬)症状:慢性的な使用から突然の中止により起こる。催吐、散瞳、不眠
  • 精神的依存:適正量使用であれば、長期間投与であっても臨床上は問題ない
慢性モルヒネ中毒患者に麻薬拮抗薬(ナロキソン等)を投与すると、禁断症状を誘発し危険である。部分的拮抗薬であるペンタゾシンやブプレノルフィンにも注意が必要。

 適応
  • 重度の下痢症状
  • 癌性疼痛
  • 術後疼痛
 禁忌
  • 気管支喘息**

1) 催吐抑制薬:クロルプロマジン

2) 縮瞳抑制薬:抗コリン薬などのアトロピン 

3) 急性呼吸抑制の解毒薬 (麻薬拮抗薬):μ受容体拮抗薬のナロキソン、レバロルファン

その他のアヘンアルカロイド

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